(その1)
小学5年生ぐらいだったでしょうか、ローマ字を教わりました。昭和30年代初め頃のことです。で、学級のみんなで話し合って、いつも作っている学級新聞のローマ字版を作ろうということになったのです。日本語文章をローマ字で書くことが大変楽しかったので、一生懸命作りました。そして出来上がものを家に持ち帰った私、おばあさん(母方の祖母)に見せ、得意げに読んで聞かせました。
その時のおばあさんの不思議そうな顔、そして言ったことを今でも思い出します。
『お前のしゃべっているのはそれ日本語だよ、翻訳したのかい』
このことを思い出したのは近年似たような経験をしたからなんです。
(つづく)